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【医師解説】風しん・風しん抗体検査について
2026年更新版

⚠ 重要:風しん第5期定期接種(無料クーポン事業)について
昭和37年4月2日〜昭和54年4月1日生まれの男性を対象とした無料の抗体検査・予防接種(第5期追加的対策)は、2025年3月31日をもって終了しました。

【特例措置】2025年3月31日までに抗体検査を受けて抗体が不十分だった方は、2027年3月31日まで定期接種(公費)として接種可能です。お住まいの自治体にご確認ください。

2025年4月1日以降に抗体検査を受ける場合は、検査・接種ともに全額自費となります。
風しんとは

風しん(三日はしか)は、風しんウイルスによる急性ウイルス感染症です。飛沫感染で広がり、潜伏期間は約2〜3週間です。

主な症状:発熱・発疹(顔から全身に広がり数日で消失)・リンパ節の腫れ(後頭部・耳後部)。成人では関節痛を伴うこともあります。

感染力:発疹出現の前後1週間が最も強く、この期間は学校・職場への登校・出勤停止が必要です(発疹消失まで)。

合併症(まれ):2,000〜5,000人に1人の割合で脳炎・血小板減少性紫斑病などが起こることがあります。特効薬はなく、対症療法が中心です。

⚠ 妊娠中の感染に注意:先天性風しん症候群(CRS)
妊娠初期(特に20週未満)に感染すると、生まれてくる赤ちゃんに先天性心疾患・難聴・白内障・発育遅延などを引き起こす「先天性風しん症候群(CRS)」が発症する可能性があります。
妊婦への直接接種はできないため、パートナー・同居家族が事前に免疫を持つことが重要です。
国内の流行状況

日本では過去に大きな流行が繰り返されてきましたが、ワクチン接種の普及により現在は患者数が大幅に減少しています。ただし、免疫を持たない世代が一定数存在するため、引き続き注意が必要です。

2012〜13年
大流行。約17,000人が感染。成人男性を中心に拡大し、CRS(先天性風しん症候群)も複数報告された。
2018〜19年
再流行。2019年に約2,300人が感染。20〜40代男性が中心で、成人男性へのワクチン接種対策(第5期)が始まるきっかけとなった。
2020年〜現在
患者数は大幅に減少し、現在は年間10例程度の報告にとどまっています(2024〜2025年)。CRSの報告もほとんどない状況です。

感染者数は減少していますが、免疫のない方が感染すれば重症化・CRS発症のリスクは変わりません。自分の免疫状態を確認することが引き続き重要です。

特に注意が必要な方・免疫が不十分な世代

過去の定期接種スケジュールの変遷により、接種回数・時期によって免疫が不十分な世代が存在します。

対象 生年(目安) 理由 リスク
男性 昭和37年4月2日〜
昭和54年4月1日生まれ
(1962〜1979年)
定期接種の対象外だった世代。集団接種を受けていないか、1回のみの場合が多い。 要注意
女性 昭和37年〜昭和52年
(1962〜1977年)頃
1回のみ接種の世代。抗体価が低下している可能性がある。 確認推奨
妊娠希望の方 全世代 妊娠中は接種不可のため、妊娠前に抗体確認・接種が必要。 要注意
妊婦の家族・
同居者
全世代 妊婦本人が接種できないため、周囲の免疫が感染防止の鍵となる。 要注意

風しん抗体検査について

自分の免疫状態を確認するために血液検査(HI法)で抗体価を測定します。予約不要で当日受けられます。

自費検査
5,000円
税込。どなたでも受けられます。
渋谷区在住の方(助成)
無料 or 助成あり
妊娠希望・妊娠中の方、その配偶者・同居者が対象。詳細は渋谷区にご確認ください。

検査結果はご来院・メール・LINEにてお伝えします。

HI法による判定基準

HI抗体価 判定 対応
8倍未満 抗体なし ワクチン接種を推奨
8〜16倍 抗体が不十分な可能性あり 医師と相談のうえ接種を検討
32倍以上 抗体が十分 原則接種不要
ワクチン接種について

抗体価が低い方(HI法16倍以下、またはEIA-IgG価8.0未満)にはワクチン接種をお勧めします。現在は麻しん・風しん混合(MRワクチン)が使用されます(風しん単独ワクチンは製造中止)。

自費接種
8,000円
税込。予約制。
渋谷区事業(助成)
無料 or 助成あり
他院での検査結果でも対象になる場合があります。
特例措置(2025年3月以前に検査済みの方)
2025年3月31日までに第5期クーポンで抗体検査を受け、抗体が不十分と判定された方は、2027年3月31日まで公費(定期接種)として接種可能です。お住まいの自治体窓口にご確認ください。
妊娠とワクチン接種について
妊娠中の接種はできません。接種後は約2ヶ月間の避妊をお願いしています。万一接種後に妊娠が判明した場合も、世界的にワクチン由来のCRS報告はありません。
MMRワクチン「ミムリット®」との関連
2026年5月、麻しん・おたふくかぜ・風しんの3種混合ワクチン「ミムリット®(MMRワクチン)」が約33年ぶりに国内承認されました。

風しんの免疫が不十分な方がワクチンを検討する際、MRワクチン(麻しん+風しん)に加え、おたふくかぜの免疫も同時に獲得できるMMRワクチンが新たな選択肢となります。どちらが適切かは、接種歴・抗体検査の結果をもとに医師にご相談ください。
MMRワクチン(ミムリット®)の解説はこちら →
まとめ
風しん患者数は現在年間10例程度まで減少していますが、免疫のない方の感染リスクは変わりません。
男性無料クーポン事業(第5期)は2025年3月で終了。2025年4月以降の検査・接種は自費です。
妊娠希望の方・妊婦のパートナーや家族は特に抗体確認が重要です。妊娠前の接種が理想的です。
接種歴・罹患歴が不明な方は自費の抗体検査で免疫状態を確認することをお勧めします。
当院では風しんの抗体検査(自費・予約不要)およびワクチン接種(予約制)を行っています。免疫状態が気になる方はお気軽にご相談ください。

記事監修

副院長 塩崎正嗣
副院長
塩崎 正嗣
糖尿病・肥満専門医 / 総合内科 東京慈恵会医科大学医学部卒・同大学院博士課程修了
男性の無料クーポン事業は終了しましたが、風しんへの免疫が不十分な世代は依然として存在します。接種歴や罹患歴が不明な方、妊娠を考えている方やそのパートナーは、ぜひ一度抗体検査を受けることをお勧めします。2026年にはMMRワクチン(ミムリット®)も承認され、選択肢が広がっています。
 

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