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国立健康危機管理研究機構(JIHS/旧NIID)の感染症発生動向調査によると、2026年は年初から麻疹の報告数が急増しており、5類感染症移行後で最大規模の流行となっています。
2026年2月、新宿区の飲食店で従業員9名(いずれも20代男性)の集団感染が発生し、その後、4月には都内の小学校で12年ぶりとなる学年閉鎖が報告されました。患者の中心は20〜30代の成人で、1回接種世代(1990年4月2日〜2000年4月1日生まれ)・接種記録不確実世代に発症が集中しています。
最新の発生数は以下の公的機関で毎週更新されます。
麻疹はパラミクソウイルス科モルビリウイルス属の麻疹ウイルスによる急性熱性発疹性疾患です。飛沫核(空気)感染・飛沫感染・接触感染のすべての経路で伝播し、ヒトに感染する病原体のなかで最も感染力が強いものの一つとされています。
| 病期 | 期間 | 主な症状・所見 |
|---|---|---|
| 潜伏期 | 10〜12日 | 無症状。曝露から発症まで通常2週間程度。 |
| カタル期 (発症〜発疹前) | 2〜4日 | 「カタル症状」とは、発熱・咳・鼻水・くしゃみ・目の充血など、いわゆる風邪のような上気道症状の総称です(医学用語で、ギリシャ語の「katarrhein=流れ落ちる」が語源)。 麻疹のカタル期では38℃前後の発熱、咳、鼻汁、結膜充血、眼脂、羞明(まぶしさ)が現れます。 後半に頬粘膜にコプリック斑が出現(診断的価値が極めて高い)。 この時期が最もウイルス排出量が多く、最も感染力が強い。 |
| 発疹期 | 3〜4日 | いったん解熱しかけたあとに再び39〜40℃の高熱と特徴的な発疹が出現。 発疹は耳介後部・頚部 → 顔面 → 体幹 → 上肢 → 下肢の順で広がる。 融合する暗赤色の斑丘疹で、押しても消えにくい。 |
| 回復期 | 7〜9日 | 解熱し全身状態が改善。発疹は退色し褐色の色素沈着を残して数週間でゆっくり消退。 |
コプリック斑は麻疹に特異的な所見で、診断的価値が極めて高いとされています。
麻疹は「ただの発疹症」ではなく、約30%が何らかの合併症を伴うとされる重症感染症です。成人罹患では小児よりも重症化しやすい傾向があります。
| 合併症 | 頻度・特徴 |
|---|---|
| 肺炎 | 麻疹関連死亡の最大要因。約6%。ウイルス性/二次性細菌性のいずれもあり得る。 |
| 中耳炎 | 約7〜9%。小児で多い。 |
| 麻疹後脳炎(急性脳炎) | 1,000例に1例。致死率10〜20%、生存例の約25%に神経学的後遺症。 |
| 亜急性硬化性全脳炎 (SSPE) | 麻疹罹患後2〜10年の潜伏期を経て発症する遅発性中枢神経合併症。 知能低下・性格変化から始まり、進行性に大脳機能を喪失してほぼ全例が死に至る難病(指定難病24)。 2歳未満で罹患した場合に特にリスクが高い。 |
| 免疫健忘 (immune amnesia) | 麻疹罹患後、それまでに獲得していた他の感染症への免疫記憶が一部消失する現象が報告されている。罹患後数年は他の感染症にも罹りやすくなる。 |
当院では、麻疹に対する免疫がついているかどうかを確認する麻疹IgG抗体検査(EIA法/自費 5,000円)を実施しています。母子手帳が見つからない方、接種歴がはっきりしない方、海外渡航や就職を控えていてご自身の免疫を確認したい方などにご利用いただけます。
麻疹疑いの方の連絡先:03-5485-3123 / LINEで連絡する
麻疹に対する特異的な抗ウイルス薬は存在しません。一度発症すれば対症療法しかなく、合併症を防ぐ唯一現実的な手段がワクチン接種による予防です。幸い、MR(麻しん風しん混合)ワクチンは現存するワクチンのなかでも最も有効性が確立されたワクチンの一つです。
| 対象 | 背景・推奨 |
|---|---|
| 1972年9月30日以前生まれ | 麻疹ワクチン未定期接種世代。多くは自然感染で免疫があるが、抗体価が低下している方は追加接種を検討。 |
| 1972年10月1日〜1990年4月1日生まれ | 麻疹ワクチン1回接種世代。1回のみでは2〜5%は免疫不十分。追加1回の接種を推奨。 |
| 1990年4月2日〜2000年4月1日生まれ | 定期接種は1回で、追加接種は任意。今回の流行で最も患者の多い年齢層。追加接種を推奨。 |
| 2000年4月2日以降生まれ | MR1期(1歳)・2期(小学校入学前)の計2回接種が定期接種。母子手帳で接種歴を確認。 |
| 特に接種を強く推奨する方 | |
| 医療・介護・教育・保育・接客業 | 人と接する機会が多く、職業曝露リスクが高い。多くの施設で2回接種が要件化。 |
| 海外渡航予定の方 | 欧州・中東・東南アジア・アフリカでは依然として流行地域が多い。出発の4週間以上前の接種が望ましい。 |
| 妊娠を希望する女性とそのパートナー | 妊娠中は接種不可。妊娠前の確実な2回接種が母児を守る。接種後2か月間は避妊が必要。 |
| 接種歴が不明な方 | 母子手帳が見つからない場合は、抗体検査または追加接種をご検討ください。 |
MRワクチンは国内3社(武田薬品工業/第一三共/一般財団法人阪大微生物病研究会)が製造しています。2024年11月以降、武田薬品のMRワクチンが力価低下の原因調査のため出荷停止となり、市場全体で供給がタイトな状況が続いています。
| 時期 | 動き |
|---|---|
| 2024年1月 | 武田薬品MRワクチンで麻疹ウイルス力価が承認規格を下回るロットが判明。出荷量調整(限定出荷)開始。 |
| 2024年11月 | 武田薬品MRワクチンの出荷が停止。第一三共・阪大微研の前倒し出荷で供給確保。 |
| 2026年3月 | 武田薬品より「乾燥弱毒生麻しん風しん混合ワクチン『タケダ』」出荷再開見込みのアナウンス。 |
| 2026年6月8日週 | 武田薬品MRワクチンが限定出荷で再開予定(特約店向け)。 |
| 2026年度全体 | 厚生労働省は「医療機関への納入量は例年と同等以上の見込み」と公表。全国的な不足は生じない方針。 |
| 項目 | 費用(税込) | 備考 |
|---|---|---|
| 麻疹IgG抗体検査(自費) | 5,000円 | 採血のみ。結果は3〜7日でメール/LINEご連絡可。抗体検査ページ → |
| MRワクチン接種(自費) | 8,000円 | 任意接種・成人の追加接種・海外渡航前接種など。ワクチン一覧 → |
| MR定期接種1期(1歳)/2期(年長児) | 無料(公費) | 渋谷区・23区内在住で対象年齢の方。予診票をお持ちください。 |
*費用は予告なく変更することがあります。最新の価格は受付・電話でご確認ください。
A. 母子手帳が見つからない方は、抗体検査(自費 5,000円)または追加接種のいずれかをご検討ください。すでに抗体がある方が追加接種を受けても、安全性に問題はありません。
A. MRワクチンは生ワクチンで、接種後約2週間で抗体が上昇します。海外渡航前接種は出発の4週間以上前が理想的です。
A. 妊娠中はMRワクチンを接種できません(生ワクチンのため)。妊娠を希望する女性は、妊娠前に2回の接種を完了させ、接種後2か月間は避妊することが推奨されます。妊娠中で抗体価が低いとわかった場合は、ご出産後にできるだけ早く接種してください。
A. 曝露後でも72時間以内のワクチン接種または6日以内のガンマグロブリン投与で発症予防が期待できる場合があります。妊婦・乳児・免疫不全者など接種できない方ではガンマグロブリン投与が選択肢となります。曝露の可能性があった場合は、まず電話でご連絡ください(来院前に動線を案内します)。
なお、東京都/厚生労働省が実施する接触者向けの臨時ワクチン接種については、対象者の方に保健所から直接連絡が入ります。当院からの無償接種は実施しておりませんので、保健所からの案内に従ってください。
A. MRワクチンの主な副反応は、接種部位の発赤・腫脹(10〜20%)、軽度の発熱(接種後5〜12日に約20%)、一過性の発疹(数%)などです。重篤な副反応はまれで、有効性が安全性を大きく上回ると考えられています。アナフィラキシーの頻度はおおむね100万回接種に1〜2回程度です。
A. 採血から3〜7日で結果が出ます。再診(結果説明)は無料で、メール・LINEでの結果ご連絡も可能です(水曜日を除く)。詳細は抗体検査ページをご覧ください。
麻疹は「子どもの病気」と思われがちですが、実際には2026年の流行の中心は20〜30代の成人です。1回接種世代の方は知らず知らずのうちに免疫が不十分なまま大人になっており、海外からのウイルス持ち込みで容易に流行が広がります。「接種歴に不安があれば、まず抗体検査または追加接種を」──これが流行期の最も賢明な選択です。お気軽にご相談ください。
*本ページの情報は2026年5月時点のものです。流行状況・ワクチン供給状況・接種推奨は変化することがあります。最新の公的情報(東京都感染症情報センター・JIHS・厚生労働省)もあわせてご確認ください。
*個々の接種適否・治療方針については、必ず医師にご相談ください。
| 月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
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| 午前 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | △ | 休 |
| 午後 | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | 休 | 休 |
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