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【医師解説】FreeStyleリブレ2(持続血糖モニター)とは

FreeStyleリブレ2 センサーとスマートフォン

FreeStyleリブレ2とは

血糖値を測るには通常、指先などに針を刺して採血する必要があります。FreeStyleリブレ2は、腕(上腕)に専用のセンサーを装着するだけで、採血なしで24時間・1分ごとに血糖値を自動測定できる持続血糖モニター(CGM)です。

測定したデータはBluetoothでスマートフォンに自動送信され、専用アプリで血糖の波形・履歴・傾向をリアルタイムで確認できます。

*「血糖」ではなく「間質液グルコース」を測定しています
センサーは皮膚の下の「間質液(細胞と細胞の間の液体)」に含まれるグルコース濃度を測定しています。間質液のグルコース濃度は血液中の血糖値とほぼ同等のため、血糖値として扱われています。

こんな方にお勧めします

インスリン治療中の方 毎回の採血が不要になり、夜間や気づかない時間帯の低血糖・高血糖も把握できます。保険適用で費用を抑えられます。
血糖スパイク(食後高血糖)が気になる方 食後の急激な血糖上昇(グルコーススパイク・食後高血糖)は、通常の空腹時血糖検査・健康診断では発見しにくいことがあります。リブレ2では食後の波形が可視化され、どの食事・食べ方で血糖が上がりやすいかがわかります。
健康診断で血糖値・HbA1cを指摘された方 「空腹時血糖値が100 mg/dL以上」「HbA1cが5.6%以上」と健診・人間ドックで指摘された方(糖尿病予備群/境界型糖尿病の可能性)。リブレ2で食後の血糖変化を把握し、生活習慣改善の具体的なポイントを見つけられます。
糖尿病予備群(境界型糖尿病)と言われた方 糖尿病予備群を放置すると年5〜10%が糖尿病に進展しますが、適切な生活習慣介入で進展リスクを大きく下げられることが大規模臨床試験で示されています。リブレ2で自分に合った介入の効果をリアルタイムに確認できます。
低血糖が心配な方 アラート機能により、設定した値を下回ると通知が届きます。運転中や夜間など、気づきにくい低血糖の予防に役立ちます。
食事・運動の効果を確認したい方 「この食事だとどれくらい上がるか」「この運動は血糖改善に効いているか」を自分で確認できます。生活習慣改善のモチベーション維持にも。
採血が苦手な方 センサー装着後は日常的な採血が不要になります(センサー自体の装着には細い針を使用しますが、使用感は通常の採血より大幅に軽度です)。

健康診断で血糖値が高い方・糖尿病予備群・血糖スパイクが気になる方へ

「健康診断で血糖値が高いと言われた」「HbA1cが境界値だった」──そうした方にこそ、リブレ2による持続血糖モニタリングは大きな価値があります。健康診断では見つかりにくい食後の血糖スパイク糖尿病予備群(境界型糖尿病)の実態を、自分の目で確認できます。

血糖値・HbA1cの判定基準(日本糖尿病学会)

正常型 空腹時血糖値 < 100 mg/dL / HbA1c < 5.6%
境界型(糖尿病予備群) 空腹時血糖値 100〜125 mg/dL / HbA1c 5.6〜6.4%
糖尿病型 空腹時血糖値 ≥ 126 mg/dL / HbA1c ≥ 6.5%

出典:日本糖尿病学会「糖尿病治療ガイド 2024-2025」

糖尿病予備群を放置するとどうなるか

  • 年間5〜10%が糖尿病へ進展(10年で約半数)
  • 心血管疾患(心筋梗塞・脳卒中)リスクが1.5〜2倍に上昇
  • 動脈硬化は予備群の段階から既に進行している
  • 認知症リスクの上昇も報告されている

出典:Tabák AG, et al. Prediabetes: a high-risk state for diabetes development. Lancet. 2012;379(9833):2279-2290.

「血糖スパイク(食後高血糖)」── 健康診断では見つからない隠れた高血糖

健康診断や人間ドックでは空腹時血糖値・HbA1cを測定しますが、これらが正常範囲内でも食後の血糖値が急上昇(140 mg/dL以上)している方は少なくありません。これが「血糖スパイク(食後高血糖)」と呼ばれる状態で、健診の数値だけでは把握できない隠れた問題です。

血糖スパイクは動脈硬化を進行させる:食後の急激な血糖変動が血管内皮を傷つけ、酸化ストレスを増大させます

心血管疾患リスクと独立に関連:食後2時間血糖値は、空腹時血糖値より心血管死亡を予測する独立した因子であることが、ヨーロッパの大規模研究(DECODE Study)で示されています

食後の眠気・倦怠感の一因:血糖スパイクとその後の反応性低血糖が「食後の眠気・だるさ・集中力低下」につながることがあります

予備群の多くが食後スパイクを起こしている:HbA1cが正常範囲でも、CGM(持続血糖モニター)で初めて見つかるケースが多数報告されています

出典:DECODE Study Group. Glucose tolerance and mortality. Lancet. 1999;354(9179):617-621. / Hanefeld M, et al. Diabetes Care. 1996.

リブレ2で「見える化」できること

見えてくること 具体例
食後の血糖変化 朝食・昼食・夕食ごとの血糖上昇パターン。どの食事で血糖が跳ね上がるかが一目で把握できます。
食べ方による違い 同じメニューでも食べる順番(野菜→たんぱく質→炭水化物)や速度で血糖変化が変わることを実感できます。
運動効果の確認 食後30〜60分のウォーキングが血糖スパイクをどれくらい抑えるかが数値で分かります。
夜間・睡眠中の血糖 夜間の隠れた高血糖、暁現象(夜明け前の血糖上昇)、夜間低血糖の有無を確認できます。
ストレス・睡眠の影響 睡眠不足や強いストレスがある日の血糖傾向の変化も把握できます。

生活習慣介入の効果はエビデンスで裏付けられています

米国DPP研究(Diabetes Prevention Program)では、糖尿病予備群の方への食事・運動指導による生活習慣介入により、糖尿病への進展リスクが58%減少しました。これは薬物療法(メトホルミン)での31%減少を大きく上回る効果です。
リブレ2で自分の血糖パターンを「見える化」することで、より具体的・持続可能な行動変容につなげることができます。

出典:Diabetes Prevention Program Research Group. Reduction in the incidence of type 2 diabetes with lifestyle intervention or metformin. N Engl J Med. 2002;346(6):393-403.

当院では、糖尿病予備群の方・健診で血糖値を指摘された方・血糖スパイクが気になる方の自費でのリブレ2装着(2週間 7,700円/個)に対応しています。糖尿病専門医の診察のもと、ご自身の血糖パターンを把握し、食事・運動の改善ポイントを一緒に考えていきます。


実際の大きさとつける場所

FreeStyleリブレ2 500円玉との比較
ほぼ500円玉サイズ(直径約35mm・厚さ約5mm)
FreeStyleリブレ2 上腕への装着
上腕(二の腕)の内側などに装着します
サイズ 直径約35mm・厚さ約5mm。ほぼ500円玉サイズで、服に隠れやすく引っかかりにくい形状です。
装着場所 上腕(二の腕)の内側が一般的です。腹部への装着も可能で、装着場所は診察時に相談して決めます。
装着方法 専用のアプリケーターを用いて医師が装着します。装着時の痛みはごく軽微です。
防水性 防水仕様のため、入浴・シャワー・水泳もそのまま可能です。
使用期間 センサーの有効期間は最大14日間です。14日を過ぎると自動的に測定が停止します。

測定画面の見方・できること

FreeStyleリブレ2 スマートフォン測定画面

スマートフォンのアプリでリアルタイムの血糖波形を確認できます

センサーを装着・有効化してから約60分後に測定がスタートします。以降、1分ごとのデータがBluetoothでスマートフォンへ自動送信され、専用アプリに波形として記録されます。

リアルタイム確認:現在の血糖値と直近の変化傾向(上昇中・安定・下降中)が一目でわかります

アラート設定:低血糖・高血糖の閾値を設定でき、超えると通知が来ます

食事・運動メモ:食事や運動の記録を血糖波形と重ね合わせて確認できます

Bluetooth圏外でも安心:スマートフォンが圏外になっても8時間分はセンサー本体に記録され、戻れば自動で補完されます

リブレViewとの連携:当院のシステムと自動連携することで、受診時に医師が波形データを参照しながらアドバイスを行います


メリットとデメリット

内容
✔ メリット
  • 持続測定で夜間・食後・運動中の血糖変化が把握できる
  • 夜間低血糖や気づかない低血糖の発見に役立つ
  • 食後血糖スパイクの有無・程度がわかる
  • 日常的な採血(指先穿刺)が不要になる
  • 運動・食事の効果を数値で見える化できる
  • 医師との診察でデータに基づく具体的なアドバイスが受けられる
▲ デメリット
  • 装着部位に皮膚のかゆみ・発赤が出ることがある
  • MRI・CT等の画像検査の際は外す必要がある
  • 間質液を測定するため、急激な血糖変化時に実際の血糖値と数分程度のズレが生じることがある
  • 保険適用外の場合は費用がかかる(自費:7,700円/個)

費用(保険・自費)

保険適用(3割負担の場合) 約3,750円/月(センサー2個分)
対象:当院でインスリン治療を行っている方
自費(保険適用外) 7,700円(税込)/個(14日間使用)
対象:インスリン治療を行っていない方
保険・自費を問わず、当院のリブレViewとの連携をお願いしています。連携後は患者さんによる操作は不要で、センサーから自動送信されます。設定は当院医師が丁寧にご案内します。
⚠️ 費用は診療報酬の改定や使用状況により変わる場合があります。詳細はご受診時にご確認ください。

よくある質問

糖尿病の診断がなくても使えますか?
はい、使用できます。ただし保険適用はインスリン治療中の方に限られます。血糖スパイクや食後血糖が気になる方、生活習慣病の予防や健康管理目的の方は自費でご利用いただけます。まず診察でご相談ください。
健康診断で血糖値が高いと言われました。リブレ2は使えますか?
はい、ご利用いただけます。「空腹時血糖が100 mg/dL以上」「HbA1cが5.6%以上」と健診で指摘された方は、糖尿病予備群(境界型糖尿病)の可能性があります。リブレ2を装着することで、健診では分からない食後の血糖変化・血糖スパイクの有無を把握でき、食事・運動の改善ポイントを具体的に見つけられます。自費(2週間 7,700円/個)で開始可能です。まずは診察でご相談ください。
糖尿病予備群です。リブレ2を使うメリットは何ですか?
糖尿病予備群(境界型糖尿病)は年5〜10%が糖尿病に進展する一方、生活習慣介入により進展リスクを58%減少できることが大規模研究(DPP研究)で示されています。リブレ2を活用することで、(1)どの食事・食べ方で血糖が上がるか、(2)運動の効果、(3)夜間の隠れた血糖変動、を可視化できます。漠然と「気をつける」のではなく、自分のデータに基づいた具体的な行動変容につなげられるのが最大のメリットです。
血糖スパイク(食後高血糖)は健康診断では分からないのですか?
健康診断・人間ドックでは通常、空腹時血糖値HbA1cを測定するため、食後の急激な血糖上昇(血糖スパイク)は見落とされやすい問題です。空腹時血糖が正常でも、食後に140 mg/dLを超えて上昇している方は少なくありません。血糖スパイクは動脈硬化を進行させ、心血管疾患リスクと独立に関連することがDECODE Studyなどで示されており、早期発見と対策が重要です。リブレ2なら24時間の血糖変動を1分単位で記録できるため、食後スパイクの有無・程度・要因を確実に把握できます。
スマートフォンは必要ですか?機種は選びますか?
iPhoneおよびAndroidの多くの機種に対応した専用アプリ「LibreLink」をご利用いただきます。対応機種の詳細はアボットジャパンの公式サイトでご確認いただくか、診察時にお尋ねください。スマートフォンをお持ちでない場合は、別途ご相談ください。
装着は自分でできますか?
初回の装着は当院の医師が行います。2回目以降は患者さんご自身で装着いただくことも可能ですが、不安な方は毎回来院していただいても構いません。
お風呂や運動中もつけたままで大丈夫ですか?
はい、防水仕様のため入浴・シャワー・水泳・運動中もそのままご使用いただけます。激しいコンタクトスポーツ(格闘技など)では保護カバーの使用をおすすめします。
センサーが途中で外れてしまった場合はどうなりますか?
センサーが外れた場合、その時点で測定は終了となります。再装着をご希望の場合はお電話またはLINEでご連絡ください。なお保険適用の場合は月2個までが上限となります。
市販のFreeStyleリブレと何が違いますか?
大きく以下の2点が異なります。

① 医師との連携の有無
市販品(薬局・通販)のリブレはご自身のスマホアプリのみで管理しますが、当院で処方・装着した場合は当院のリブレViewにもデータが自動連携されます。受診時に医師が波形を参照しながら具体的な指導を行えるため、治療の質が向上します。

② 入手経路による品質・サポートの違い
FreeStyleリブレ2は薬機法上の管理医療機器です。正規流通経路(医療機関・正規取扱薬局・アボットジャパン公認販売店)以外(海外通販・個人輸入・並行輸入など)で入手された製品は、以下の点にご注意ください。
  • 温度管理・保管状態が保証されず、測定精度や安全性に影響する可能性があります
  • 海外仕様の製品は日本国内のリブレViewと連携できない場合があります
  • 不具合時の正規サポート(アボットジャパン)を受けられない場合があります
安全かつ正確な測定を行うため、医療機関または正規取扱薬局でのご利用を強くお勧めします。

始めたい方へ

FreeStyleリブレ2の装着・処方は副院長の担当診察日(月・火・木・金・土)に対応しています。受診時に「リブレ2を使ってみたい」とお申し出ください。

初めての方はまず診察でご相談いただき、適応・使い方・費用についてご説明のうえで装着します。当日装着も可能な場合があります。

ご予約・お問い合わせはお気軽にどうぞ(予約優先制・予約なし受診も可)

塩崎正嗣 副院長
監修
塩崎 正嗣(しおざき まさつぐ)
しおざき内科 副院長 / 総合内科専門医・糖尿病専門医
東京慈恵会医科大学医学部卒業・同大学院博士課程修了。同大学附属病院にて糖尿病・内分泌・代謝内科、感染制御部、総合診療科に従事。大手航空会社常勤産業医(パイロット・客室乗務員の健康管理)を経て現職。かかりつけ医機能報告研修・認知症研修修了。
「リブレ2を装着すると、血糖が"見える"ことで患者さん自身の気づきが大きく変わります。"あの食事のあとにこんなに上がっていたのか"という発見が、生活習慣の改善につながることも多いです。データをもとに一緒に考えましょう。」

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