1SGLT2阻害薬(フォシーガ®)とは
SGLT2阻害薬は、腎臓で糖が体に戻されるのを抑え、余分な糖を尿と一緒に体の外へ出す飲み薬です。インスリンのはたらきに頼らずに血糖を下げるため、糖尿病の治療に広く使われています。当院で使用するフォシーガ®は、糖尿病に加えて慢性心不全・慢性腎臓病の治療薬としても承認されており、心臓や腎臓を守る効果が大規模な研究で確かめられているお薬です(後発品のダパグリフロジンも取り扱っています)。
当院では、糖質の多い食生活の方の補助として、またゆるやかな体重・体脂肪の管理を目的に、自由診療で処方しています。体重減少の効果は限定的なため、食事・運動とあわせて使う補助的なお薬とお考えください。
2作用の仕組み
血液中の糖は、腎臓でいったん尿のもとにこし出されたあと、「SGLT2」という運び役によって大部分が体に戻されています。SGLT2阻害薬はこの運び役のはたらきを抑えることで、糖を尿中に排出させます。
- 2型糖尿病の方では、尿に出る糖は1日に最大約70g(約280kcal)とされています。
- 尿に出る糖の量は血糖値に左右されるため、血糖値が正常な方では、尿に出る糖の量は少なくなります。
- インスリンに頼らないしくみのため、単独では低血糖を起こしにくいのも特徴です。
出典:Whaley JM, et al. Diabetes Metab Syndr Obes. 2012;5:135-148
3体重への効果とエビデンス
「出ていくカロリー」と「実際に減る体重」は一致しない
尿に出る糖のカロリーから計算すると大きな体重減少が見込めそうですが、実際の体重減少はその約3分の1程度にとどまることがわかっています。2型糖尿病の方がSGLT2阻害薬(エンパグリフロジン)を約90週間服用した研究では、計算上の予測が約11kgの減少だったのに対し、実際の減少は約3kgでした。体がカロリーの損失を補おうとして、食べる量が自然に増えてしまうためと考えられています。
男性:予測 11.4kg → 実際 3.1kg/女性:予測 11.1kg → 実際 3.2kg(平均値)。差の多くは、食べる量が自然に増えたことによると推定されています。
出典:Ferrannini G, et al. Energy Balance After Sodium-Glucose Cotransporter 2 Inhibition. Diabetes Care. 2015;38:1730-1735
このため、SGLT2阻害薬を使う場合も食事内容の見直しがとても大切です。「薬を飲んでいるから多く食べても大丈夫」とはならない点にご注意ください。
減った体重の多くは体脂肪
メトホルミンを服用中の2型糖尿病の方にフォシーガ®(10mg)を24週間追加した研究では、偽薬と比べて体重が約2.1kg減少し、そのうち約1.5kg(約7割)が体脂肪の減少でした。お腹の内臓脂肪・皮下脂肪の減少も確認されています。
出典:Bolinder J, et al. J Clin Endocrinol Metab. 2012;97:1020-1031
心臓・腎臓を守る効果
フォシーガ®は、糖尿病の有無にかかわらず、心不全の悪化や腎機能の低下を抑える効果が大規模な臨床試験で示されています。
出典:McMurray JJV, et al. N Engl J Med. 2019;381:1995-2008(DAPA-HF)/Heerspink HJL, et al. N Engl J Med. 2020;383:1436-1446(DAPA-CKD)
4こんな方に
- 甘いもの・ご飯・麺類など糖質が多い食生活が気になる方
- 健康診断で血糖値・HbA1cが高めと言われた方(糖尿病の診断がない方)
- 注射薬に抵抗があり、内服薬でゆるやかに体重・体脂肪を管理したい方
- GLP-1製剤やメトホルミンとの組み合わせを検討している方(医師が適否を判断します)
糖尿病の診断がある方は、自由診療ではなく保険診療で糖尿病の治療として処方します。同じ病気について保険診療と自由診療を同時に行うことはできないため、まずは医師にご相談ください。
5副作用・注意点
| 副作用 | 内容 |
|---|---|
| 尿路・性器の感染症 | 尿に糖が出るため、膀胱炎や性器のかゆみ・カンジダ症などが起こりやすくなります。清潔を保ち、症状があれば早めにご相談ください。 |
| 脱水・頻尿 | 尿の量が増えるため、こまめな水分補給が必要です。特に暑い時期・運動時・体調不良時はご注意ください。 |
| ケトアシドーシス | まれですが重い副作用です。血糖値が高くなくても起こることがあり、特に極端な糖質制限・食事が取れないとき・過度の飲酒で起こりやすくなります。吐き気・腹痛・強いだるさ・息苦しさがあればすぐにご連絡ください。 |
| 低血糖 | 単独では起こりにくいですが、他の血糖を下げる薬との併用時は注意が必要です。 |
- 妊娠中・授乳中の方、妊娠の可能性がある方
- 極端な糖質制限中の方、食事量が少ない方、やせ型の方
- 膀胱炎などの尿路感染症をくり返している方
- 腎機能が大きく低下している方
- 脱水になりやすい方・高齢の方
- 手術の予定がある方(手術前は一時的にお休みが必要です)
処方前に血液検査で腎機能・血糖などを確認します。
6料金
フォシーガ®(先発品)
| 用量(1日1錠) | 30日分 | 60日分 |
|---|---|---|
| フォシーガ® 5mg | 7,500円 | 13,500円 |
| フォシーガ® 10mg | 12,000円 | 22,000円 |
ダパグリフロジン(後発品)
| 用量(1日1錠) | 30日分 | 60日分 |
|---|---|---|
| ダパグリフロジン 5mg | 4,800円 | 9,600円 |
| ダパグリフロジン 10mg | 9,000円 | 18,000円 |
*すべて税込・自由診療(全額自費)です。国内正規品を使用しています。
*別途、診察料・検査料がかかります(GLP-1ダイエット外来の診察料・検査料をご覧ください)。
7診察の流れ・他のお薬との併用
- 医師の診察で、体重・食生活・持病・服用中のお薬を確認します。
- 血液検査で腎機能・血糖などを確認します。
- 服用中の水分補給や、体調不良時(シックデイ)の休薬などについてご説明したうえで処方します。
GLP-1製剤やメトホルミンとの併用については、糖尿病・肥満症の専門医が体質や検査結果をふまえ、より適切な組み合わせをご提案します。
8適応外使用についての重要なお知らせ
- 適応外使用:フォシーガ®は国内では2型糖尿病・1型糖尿病・慢性心不全・慢性腎臓病の治療薬として承認されています(後発品のダパグリフロジンは、承認されている効能・効果が先発品と異なります)。先発品・後発品のいずれも、体重減少・肥満の改善を目的とした処方は承認された効能・効果に含まれない使い方(適応外使用)となり、自由診療(全額自費)で行います。
- 入手経路:当院で使用するのは、国内の医薬品卸から購入した国内正規品(先発品・後発品)です。
- 国内の承認医薬品:肥満症の治療薬として国内で承認されている薬に、ウゴービ®・ゼップバウンド®があります。より直接的な体重減少効果を目的とする場合は、GLP-1ダイエット外来のページをご覧ください。
- 諸外国での状況:ダパグリフロジンは欧米を含む多くの国で糖尿病・心不全・慢性腎臓病の治療薬として承認・使用されていますが、肥満症の治療薬として承認している国はありません。
- 医薬品副作用被害救済制度:適応外使用で重い副作用が生じた場合、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
SGLT2阻害薬による体重・体脂肪の管理について、お気軽にご相談ください
9アクセス・診療時間
渋谷駅から徒歩5分。詳しいアクセス方法・診療時間は下記よりご確認ください。
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