1エフルエルダ®とは
エフルエルダ®(製造販売:サノフィ)は、高齢者向けに開発された高用量4価不活化インフルエンザワクチンです。通常の成人用インフルエンザワクチンと比べ、各株の抗原量が4倍(60µg vs 15µg)含まれており、より強い免疫応答を引き出すことを目的としています。
- 高齢者はインフルエンザによる重症化・入院・死亡リスクが高いにもかかわらず、加齢に伴う免疫低下(免疫老化)により通常ワクチンの効果が得られにくくなります
- エフルエルダは抗原量を4倍に増量することで、この免疫老化を補い、より高い予防効果を実現します
- 米国・欧州では2010年代から高齢者向け高用量インフルエンザワクチンが使用されており、ACIPが65歳以上への優先使用を推奨しています(ACIP 2022)
*エフルエルダは従来の4価インフルエンザワクチン(標準量)とは別の製品です。標準量ワクチンとの同時接種はできません。
2有効性のエビデンス
高用量インフルエンザワクチン(QIV-HD)は、通常ワクチンと比較した複数の大規模臨床試験・観察研究でその優位性が示されています。
の相対的改善率
リスクの減少
(施設入居高齢者)
DiazGranados et al. N Engl J Med 2014(無作為化比較試験 n=31,989)/ Young-Xu et al. Vaccine 2019(米国退役軍人65歳以上の大規模観察研究)/ Gravenstein et al. Lancet Respir Med 2017(ナーシングホーム n=38,256)
ACIPによる65歳以上への優先使用推奨
米国予防接種諮問委員会(ACIP)は、65歳以上への高用量または補助剤添加インフルエンザワクチンの優先使用を推奨しています(2022年改訂)。日本でも今後同様の方向で整理が進む見込みです。
ACIP Recommendations 2022 / MMWR 2022
国内第III相臨床試験:抗体陽転率の比較
日本人高齢者を対象とした国内臨床試験でも、エフルエルダは4つのウイルス株すべてにおいて従来ワクチンを大幅に上回る抗体陽転率を示しました。
| ウイルス株 | エフルエルダ | 従来ワクチン | 差 |
|---|---|---|---|
| A/H1N1 | 77.6% | 47.9% | +29.7% |
| A/H3N2 類似株 | 75.4% | 47.3% | +28.1% |
| B/Victoria 系統類似株 | 79.2% | 47.8% | +31.4% |
| B/Yamagata 系統 | 74.4% | 39.0% | +35.4% |
出典:国内第III相臨床試験申請資料概要(サノフィ)
3通常インフルエンザワクチンとの比較
| 比較項目 | 通常の4価ワクチン | エフルエルダ® (高用量4価) |
|---|---|---|
| 抗原量(1株あたり) | 15µg | 60µg(4倍) |
| 対応ウイルス株数 | 4株 | 4株 |
| 接種方法 | 皮下注射 | 筋肉内注射 |
| 対象年齢 | 6か月以上 | 60歳以上 |
| 高齢者への有効性 | 標準 | 約24%向上(入院予防も約25%改善) |
| 75歳以上 渋谷区公費 | 無料(定期接種) | 補助対象は確定済み(開始時期・費用は発売確定後にご案内) |
| 費用(自費の場合) | 3,800円 | 準備中(発売延期中) |
*費用・公費補助の詳細は2026年秋に改めてご案内します。通常ワクチンとの同時接種はできません。
4推奨される方・接種対象
| 対象 | 推奨度 | 理由 |
|---|---|---|
| 75歳以上 | ◎ 特に推奨(渋谷区公費補助 確定済み) ⚠ 2026年シーズンは発売延期のため接種不可。次シーズン以降を予定。 | 免疫老化が顕著で通常ワクチンの効果が低下しやすい。重症化リスクが最も高い年代。 |
| 60〜74歳 | ○ 推奨 | 60歳以上が接種対象。基礎疾患のある方や、インフルエンザ肺炎・入院を避けたい方に特に勧めます。 |
| 心疾患・糖尿病・慢性呼吸器疾患などの基礎疾患がある方 | ◎ 特に推奨 | インフルエンザによる基礎疾患の悪化・重症化リスクが高い。 |
| 65〜74歳で健康な方 | △ 任意 | 通常ワクチンでも一定の効果が期待できます。ご本人の希望や費用対効果を医師と相談してください。 |
当院は渋谷区の定期接種指定医療機関です。75歳以上の渋谷区在住の方への公費補助(定期接種)は、渋谷区医師会からの通知により正式に確定しています。ただし、2026年シーズンはエフルエルダ®の発売延期により接種できません。発売・接種開始時期が確定次第、TOPICSおよびLINEにてご案内します。通常のインフルエンザワクチン一覧・その他予防接種については予防接種一覧ページをご覧ください。
5副反応について
エフルエルダは抗原量が多いため、通常ワクチンと比べて局所反応(接種部位の痛み・腫れ)がやや多く報告されています。ただし、重篤な副反応は非常にまれで、多くは1〜2日で改善します。
| 副反応 | 発現率 | 備考 |
|---|---|---|
| 接種部位の痛み | 約44〜72% | 通常ワクチンより多め |
| 倦怠感・疲労感 | 約25〜35% | 一過性 |
| 頭痛 | 約20〜30% | 一過性 |
| 筋肉痛 | 約15〜25% | 一過性 |
| 発熱(37.5℃以上) | 約5〜10% | 一過性 |
*接種部位の腫れ・熱感も通常ワクチンよりやや多めに報告されています。いずれも数日以内に改善します。
接種できない場合:発熱中の方、過去にインフルエンザワクチンで重篤なアレルギー反応を起こした方。接種前に医師が確認いたします。
接種当日:激しい運動・飲酒はお控えください。接種後15〜30分は院内でお待ちいただきます。
⚠ エフルエルダ®は2026年シーズンの発売が延期となりました。発売・予約受付開始はLINEにてお知らせします。
6アクセス・診療時間
渋谷駅から徒歩5分。詳しいアクセス方法・診療時間は下記よりご確認ください。
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