1現在の流行状況

2023年5月8日の5類移行以降、新型コロナは定点把握(全国約5,000か所の指定医療機関からの週次報告)により動向が監視されています。

1.51
全国定点当たり報告数
(2026年第40週・9/28〜10/4)
1.76
東京都 定点当たり報告数
(同週・前週1.28から増加)
5類
感染症法上の位置づけ
(2023年5月8日〜)

出典:厚生労働省 感染症発生動向調査・東京都感染症情報センター 週報(2026年第40週、10月7日公表)

東京都では9月中旬(第38週・2.91)に夏の流行のピークを迎えたあと一度減少しましたが、第40週は全国・東京都ともに再び増加に転じています。例年、夏(7〜8月)と冬(12〜2月)に二峰性の流行がみられ、学会からもこの冬の再流行が予想されています。同じ時期にインフルエンザも流行しているため(東京都は注意報レベル)、発熱時は早めの受診・検査をおすすめします。

最新の定点報告数は以下の公的機関で毎週更新されます

2変異株の動向

新型コロナウイルスは継続的に変異を繰り返しており、流行する変異株が定期的に入れ替わっています。変異しても基本的な感染対策・治療方針に大きな変化はありませんが、ワクチンの有効性に影響することがあります。

変異株の系譜(2024〜2026年)

2024年:JN.1・KP.3系統

オミクロン派生株。JN.1が世界的に主流となり、その派生のKP.3が2024年夏〜秋の流行を主導。

2024年末〜2025年春:XEC・LP.8.1

いずれもJN.1系統。XECが2025年冬の流行を主導。

2025年夏〜:NB.1.8.1・XFG

JN.1系統の派生株。国内では2025年夏以降NB.1.8.1とその派生株が中心に。海外(欧州など)ではXFGが優勢に。

2026年5月〜:BA.3.2系統(現在の国内の主流)

JN.1系統とは別の系統で、抗原性(ウイルスの「見た目」)が大きく異なるのが特徴。2026年5月以降、国内で中心となっています。

現時点で、いずれの変異株についても重症化リスクが高まったことを示すデータはありません。症状の出方や治療方針も大きくは変わらず、重症化リスクの高い方が注意すべき点は同じです。2026/27年シーズンのワクチンはXFG対応(コミナティ®・エムネクスパイク®・ヌバキソビッド®)またはNB.1.8.1対応(ダイチロナ®・コスタイベ®)で、BA.3.2に対しても中和抗体の誘導が確認されています(JN.1系統に対するよりは低い水準)。

出典:日本感染症学会・日本呼吸器学会「2026年度の新型コロナワクチン定期接種に関する見解」(2026年9月1日)/ECDC 変異株情報(2026年9月25日時点)

3症状・潜伏期間

現在流行しているオミクロン系統では、感染から症状出現まで2〜4日(平均約3日)が多いとされています。

症状頻度・特徴
発熱38℃以上の発熱が多い。解熱後も倦怠感が続くことがある。
咽頭痛・のどの痛みオミクロン系統では最も多い症状の一つ。強い痛みを伴うことがある。
咳・鼻汁風邪と区別がつきにくい。
倦怠感・頭痛・筋肉痛発熱と同時期または先行して出現することがある。
嗅覚・味覚障害オミクロン系統では初期株より少ないが、依然として報告あり。
消化器症状下痢・嘔気など。小児・高齢者でやや多い。
呼吸困難重症化サイン。息切れ・SpO2低下を伴う場合は速やかに受診。
以下の症状がある場合は速やかにご連絡ください

4重症化リスクの高い方

オミクロン系統は重症化率が低下していますが、以下に該当する方は依然として重症化・入院のリスクが高く、発症早期(発症5日以内)の抗ウイルス薬投与が推奨されます。

リスク因子リスク度備考
65歳以上高リスク年齢が上がるほどリスク上昇。重症化・死亡の大多数を占める。
免疫抑制状態(ステロイド・抗がん剤・臓器移植後など)高リスクワクチンの効果が減弱する場合がある。
慢性肺疾患(COPD・喘息重症など)高リスク肺炎への移行リスクが高い。
糖尿病(特にコントロール不良)高リスク高血糖が重症化を促進する。
慢性心疾患・慢性腎臓病高リスク心不全・腎不全の増悪に注意。
高度肥満(BMI 30以上)中リスク気道への圧迫・炎症反応の増強による。
妊婦中リスク早産・周産期合併症のリスクがある。
ワクチン未接種または長期未接種(3年以上)中リスク抗体価の低下に伴い重症化リスクが上昇する可能性がある。
健康な成人・小児(基礎疾患なし)低リスク多くは軽症〜中等症で自然軽快する。

出典:日本感染症学会 COVID-19ワクチンに関する提言(第11版)2025年9月 / 厚生労働省 重症化リスク因子一覧

5治療・抗ウイルス薬について

新型コロナウイルス感染症の治療は、軽症〜中等症の多くは対症療法が中心です。ただし重症化リスクの高い方には、発症早期(発症5日以内)の抗ウイルス薬投与が推奨されています。

主な抗ウイルス薬(経口・外来処方可能なもの)

薬剤名特徴注意点
パキロビッド®
(ニルマトレルビル/リトナビル)
重症化予防効果が最も確立されている。高リスク者への第一選択。 多数の薬物相互作用あり。腎機能低下で減量必要。処方前に服用中の薬の確認が必須。
ゾコーバ®
(エンシトレルビル)
国内開発の抗ウイルス薬。症状改善期間の短縮効果。相互作用が比較的少ない。 妊娠中・授乳中は禁忌。一部の薬剤との相互作用に注意。
ラゲブリオ®
(モルヌピラビル)
相互作用が少なく処方しやすい。パキロビッドが使用できない場合の代替。 妊娠中は禁忌。他の薬剤よりやや重症化予防効果が低いとされる。
当院での抗ウイルス薬処方について

罹患後症状(後遺症)について

感染後に倦怠感・ブレインフォグ(思考の霧)・息切れ・嗅覚障害などが数週間〜数か月続く「罹患後症状(Long COVID)」が一定割合で報告されています。症状が4週間以上続く場合はご相談ください。

小児への抗ウイルス薬

薬剤名小児適応
パキロビッド®12歳以上・体重40kg以上で使用可。12歳未満は適応外。
ゾコーバ®12歳以上で使用可。12歳未満は適応外。妊娠中・授乳中は禁忌。
ラゲブリオ®18歳以上のみ。小児・妊娠中は禁忌。

12歳未満のお子さんへの経口抗ウイルス薬は現時点で適応がありません。重症化リスクが高い小児(免疫不全・基礎疾患あり)については入院での点滴治療(ベクルリー®)が検討されます。ご不安な場合はお気軽にご相談ください。

出典:日本感染症学会 COVID-19診療ガイドライン(第10.1版)/ 厚生労働省 罹患後症状マネジメント資料

6当院の対応

しおざき内科での新型コロナ診療

外出自粛・療養期間の目安

2023年5月8日の5類移行以降、法律上の隔離義務はありません。ただし、感染拡大防止と重症化予防の観点から、以下を目安にしています。

発熱・コロナ疑いの方も、事前連絡なしでそのままご来院いただけます

7予防法

ワクチン接種

2026/27年シーズンのワクチンはXFG対応型またはNB.1.8.1対応型が使用されています(当院では10月1日より接種実施中)。重症化リスクの高い方(65歳以上・基礎疾患あり)は定期接種(公費)の対象です。インフルエンザワクチンとの同時接種も可能です。

コロナワクチン接種の詳細はこちら → ワクチン接種の詳細はこちら →

日常の感染対策

8海外の流行状況・渡航時の注意

海外渡航を予定している方の参考として、主な地域の状況を簡単にまとめます(2026年10月時点)。詳細は渡航前に必ず公的機関の最新情報をご確認ください。

地域最近の状況
ヨーロッパXFG系統が優勢。BA.3.2も各地で検出されています(ECDC、2026年9月下旬時点)。
アメリカSW.2、XFG系統など複数の系統が混在。検査陽性率は5%前後で推移(2026年8月下旬時点)。
アジア・日本日本では2026年5月以降BA.3.2系統が中心。BA.3.2は2026年春までに20か国以上で確認されています。

出典:ECDC/米国の公表データに基づく解説(Nebraska Medicine、2026年9月)/日本感染症学会ほか(2026年9月)

渡航前・渡航中のポイント

渡航前に確認したい公的情報

9アクセス・診療時間

📍 アクセス・診療時間のご案内

渋谷駅から徒歩5分。詳しいアクセス方法・診療時間は下記よりご確認ください。
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