1現在の流行状況
2023年5月8日の5類移行以降、新型コロナは定点把握(全国約5,000か所の指定医療機関からの週次報告)により動向が監視されています。
(2026年第17週・4/20〜4/26)
(東京都は減少傾向)
(2023年5月8日〜)
出典:東京都感染症情報センター・厚生労働省 感染症発生動向調査(2026年第16〜17週)
現在は流行の谷間にあたる時期です。例年、夏(7〜8月)と冬(12〜2月)に二峰性の流行が確認されており、引き続き注意が必要です。
2変異株の動向
新型コロナウイルスは継続的に変異を繰り返しており、流行する変異株が定期的に入れ替わっています。変異しても基本的な感染対策・治療方針に大きな変化はありませんが、ワクチンの有効性に影響することがあります。
変異株の系譜(2024〜2026年)
2024年冬〜春:JN.1系統
オミクロン派生株。免疫回避性が高く世界的に主流となった。
2024年秋:KP.3系統
JN.1から派生。感染力が増加し、2024年夏〜秋の流行を主導。
2024年末〜2025年冬:XEC・LP.8.1
XECが2025年冬の流行を主導。LP.8.1はWHOが2025年2月にVUM(監視下変異株)指定。
2026年春以降:NB.1.8.1系統(現在の主流)
XDV.1由来の新系統。2026年春から国内での検出割合が増加中。
変異株によって症状の重さが根本的に変わるわけではありません。重症化リスクの高い方が注意すべき点は変わりません。2025/26年シーズンのワクチンはXEC・LP.8.1対応型が使用されています。
出典:東京都健康安全研究センター 変異株流行状況 / 国立感染症研究所
3症状・潜伏期間
現在流行しているオミクロン系統では、感染から症状出現まで2〜4日(平均約3日)が多いとされています。
| 症状 | 頻度・特徴 |
|---|---|
| 発熱 | 38℃以上の発熱が多い。解熱後も倦怠感が続くことがある。 |
| 咽頭痛・のどの痛み | オミクロン系統では最も多い症状の一つ。強い痛みを伴うことがある。 |
| 咳・鼻汁 | 風邪と区別がつきにくい。 |
| 倦怠感・頭痛・筋肉痛 | 発熱と同時期または先行して出現することがある。 |
| 嗅覚・味覚障害 | オミクロン系統では初期株より少ないが、依然として報告あり。 |
| 消化器症状 | 下痢・嘔気など。小児・高齢者でやや多い。 |
| 呼吸困難 | 重症化サイン。息切れ・SpO2低下を伴う場合は速やかに受診。 |
- 息苦しさ・胸の痛み
- 意識がもうろうとする
- 唇・爪が紫色になる
- 水分がまったく取れない
- 高齢者・乳幼児で急激に状態が悪化している
4重症化リスクの高い方
オミクロン系統は重症化率が低下していますが、以下に該当する方は依然として重症化・入院のリスクが高く、発症早期(発症5日以内)の抗ウイルス薬投与が推奨されます。
| リスク因子 | リスク度 | 備考 |
|---|---|---|
| 65歳以上 | 高リスク | 年齢が上がるほどリスク上昇。重症化・死亡の大多数を占める。 |
| 免疫抑制状態(ステロイド・抗がん剤・臓器移植後など) | 高リスク | ワクチンの効果が減弱する場合がある。 |
| 慢性肺疾患(COPD・喘息重症など) | 高リスク | 肺炎への移行リスクが高い。 |
| 糖尿病(特にコントロール不良) | 高リスク | 高血糖が重症化を促進する。 |
| 慢性心疾患・慢性腎臓病 | 高リスク | 心不全・腎不全の増悪に注意。 |
| 高度肥満(BMI 30以上) | 中リスク | 気道への圧迫・炎症反応の増強による。 |
| 妊婦 | 中リスク | 早産・周産期合併症のリスクがある。 |
| ワクチン未接種または長期未接種(3年以上) | 中リスク | 抗体価の低下に伴い重症化リスクが上昇する可能性がある。 |
| 健康な成人・小児(基礎疾患なし) | 低リスク | 多くは軽症〜中等症で自然軽快する。 |
出典:日本感染症学会 COVID-19ワクチンに関する提言(第11版)2025年9月 / 厚生労働省 重症化リスク因子一覧
5治療・抗ウイルス薬について
新型コロナウイルス感染症の治療は、軽症〜中等症の多くは対症療法が中心です。ただし重症化リスクの高い方には、発症早期(発症5日以内)の抗ウイルス薬投与が推奨されています。
主な抗ウイルス薬(経口・外来処方可能なもの)
| 薬剤名 | 特徴 | 注意点 |
|---|---|---|
| パキロビッド® (ニルマトレルビル/リトナビル) |
重症化予防効果が最も確立されている。高リスク者への第一選択。 | 多数の薬物相互作用あり。腎機能低下で減量必要。処方前に服用中の薬の確認が必須。 |
| ゾコーバ® (エンシトレルビル) |
国内開発の抗ウイルス薬。症状改善期間の短縮効果。相互作用が比較的少ない。 | 妊娠中・授乳中は禁忌。一部の薬剤との相互作用に注意。 |
| ラゲブリオ® (モルヌピラビル) |
相互作用が少なく処方しやすい。パキロビッドが使用できない場合の代替。 | 妊娠中は禁忌。他の薬剤よりやや重症化予防効果が低いとされる。 |
- 抗ウイルス薬は発症から5日以内の早期投与が原則です。
- 上記3剤はいずれも当院で処方できます。重症化リスクがある方は、陽性確認後すぐにご相談ください。
- 健康な若年成人では必ずしも抗ウイルス薬は必要ではありません。医師と相談のうえ判断します。
- イベルメクチンについては、現時点で新型コロナへの有効性を示す十分なエビデンスがなく、当院では推奨していません。
罹患後症状(後遺症)について
感染後に倦怠感・ブレインフォグ(思考の霧)・息切れ・嗅覚障害などが数週間〜数か月続く「罹患後症状(Long COVID)」が一定割合で報告されています。症状が4週間以上続く場合はご相談ください。
小児への抗ウイルス薬
| 薬剤名 | 小児適応 |
|---|---|
| パキロビッド® | 12歳以上・体重40kg以上で使用可。12歳未満は適応外。 |
| ゾコーバ® | 12歳以上で使用可。12歳未満は適応外。妊娠中・授乳中は禁忌。 |
| ラゲブリオ® | 18歳以上のみ。小児・妊娠中は禁忌。 |
12歳未満のお子さんへの経口抗ウイルス薬は現時点で適応がありません。重症化リスクが高い小児(免疫不全・基礎疾患あり)については入院での点滴治療(ベクルリー®)が検討されます。ご不安な場合はお気軽にご相談ください。
出典:日本感染症学会 COVID-19診療ガイドライン(第10.1版)/ 厚生労働省 罹患後症状マネジメント資料
6当院の対応
- 発熱・コロナ疑いの方も受け入れています。受診前にお電話またはLINEでご連絡ください。急ぎの方は電話が確実です。
- 抗原検査を実施(所要10〜15分)。
- 重症化リスクの高い方への抗ウイルス薬処方(パキロビッド®・ゾコーバ®・ラゲブリオ®)に対応しています。
- 生活習慣病・糖尿病・高血圧など基礎疾患をお持ちの方は、かかりつけ医としてまとめて対応します。
外出自粛・療養期間の目安
2023年5月8日の5類移行以降、法律上の隔離義務はありません。ただし、感染拡大防止と重症化予防の観点から、以下を目安にしています。
- 発症後5日間は外出を控えることを推奨(発症翌日を1日目として数える)
- 5日経過後も発熱・症状が続く場合は症状消失まで外出を控える
- マスク着用・手洗いなど、周囲への配慮を継続する
- 職場・学校の規定がある場合はそちらに従う
発熱・コロナ疑いの方はまずご連絡を
7予防法
ワクチン接種
2025/26年シーズンのワクチンはXEC・LP.8.1対応型が使用されています。重症化リスクの高い方(65歳以上・基礎疾患あり)は定期接種(公費)の対象です。
日常の感染対策
- 手洗い・手指消毒:流水と石鹸による手洗い、またはアルコール消毒が最も効果的
- 換気:密閉空間での長時間滞在を避ける。定期的な換気を行う
- マスク:医療機関受診時・高齢者施設訪問時・感染者との接触時は着用を推奨
- 体調不良時の外出自粛:発熱・咽頭痛・咳があるときは出勤・登校を控える
9アクセス・診療時間
渋谷駅から徒歩5分。詳しいアクセス方法・診療時間は下記よりご確認ください。
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