1メトホルミンとは
メトホルミン(国内の代表的な製品名:メトグルコ®)は、60年以上前から使われている糖尿病の飲み薬です。血糖値を下げるお薬ですが、単独では低血糖を起こしにくく、体重が増えにくいことが特徴です。近年は、体の「インスリンの効きにくさ(インスリン抵抗性)」を改善するはたらきや、ゆるやかな体重減少の効果にも注目が集まっています。
当院では、メトホルミンを体重管理の補助、またインスリン抵抗性の改善を目的として、自由診療で処方しています。GLP-1製剤のような大きな体重減少をもたらすお薬ではなく、食事・運動とあわせてゆるやかに体質を整えていく位置づけのお薬です。
2作用の仕組み
メトホルミンは、体のさまざまな場所にはたらきかけて、糖の代謝を整えます。
| はたらく場所 | 主なはたらき |
|---|---|
| 肝臓 | 肝臓で糖が新しくつくられる「糖新生」を抑え、血液中に出ていく糖を減らします。 |
| 筋肉・脂肪組織 | インスリンの効きをよくして、ブドウ糖の取り込みを助けます(インスリン抵抗性の改善)。 |
| 腸 | 腸の細胞のミトコンドリアにはたらきかけて腸でのブドウ糖の消費を増やすほか、食後の糖の吸収にも影響します。腸内細菌や、食欲に関わるホルモン(GDF15など)への作用も報告されています。 |
| 細胞全体 | 細胞のエネルギーセンサーであるAMPKを活性化し、糖や脂肪の代謝を整える方向にはたらきます。 |
出典:Foretz M, et al. Nat Rev Endocrinol. 2023;19:460-476/Koffert JP, et al. Diabetes Res Clin Pract. 2017;131:208-216/Coll AP, et al. Nature. 2020;578:444-448
3期待できる効果(エビデンス)
糖尿病になる前の段階(耐糖能異常)の方を対象とした大規模な研究(米国の糖尿病予防プログラム:DPP)では、メトホルミンを飲んだグループで、平均約2.8年の間に体重が平均約2kg減少しました(偽薬グループはほぼ変化なし)。その後の長期追跡でも、最初の1年でしっかり体重が減った方の多くは、その後も減量を維持していたことが報告されています。
体重減少の効果はゆるやかです。メトホルミンだけで大きな減量を目指すのではなく、食事・運動療法の補助として、またインスリン抵抗性を改善して太りにくい体質づくりを目的に使うお薬とお考えください。
出典:Diabetes Prevention Program Research Group(Knowler WC, et al.)N Engl J Med. 2002;346:393-403/Apolzan JW, et al. Ann Intern Med. 2019;170:682-690
4こんな方に
- 健康診断などで血糖値やHbA1cが高めと言われた方(糖尿病の診断がない方)
- お腹まわりの脂肪が気になり、インスリン抵抗性が疑われる方
- 注射薬(GLP-1製剤)に抵抗がある方、まずは内服薬でゆるやかに始めたい方
- GLP-1製剤による治療の補助や、減量後の維持を考えている方(医師が適否を判断します)
糖尿病の診断がある方は、自由診療ではなく保険診療で糖尿病の治療として処方します。同じ病気について保険診療と自由診療を同時に行うことはできないため、まずは医師にご相談ください。
5副作用・服用できない方
| 副作用 | 内容 |
|---|---|
| 胃腸の症状 | 下痢・吐き気・お腹の張りなど。飲み始めや増量時に多く、少量から始めることで軽くなります。 |
| 乳酸アシドーシス | まれですが重い副作用です。腎機能が低い方、脱水時、多量の飲酒時などに起こりやすくなります。だるさ・吐き気・筋肉痛・息苦しさなどがあればすぐにご連絡ください。 |
| ビタミンB12の低下 | 長期間の服用で起こることがあります。必要に応じて血液検査で確認します。 |
| 低血糖 | 単独では起こりにくいですが、食事を大きく抜いたときや、他の血糖を下げる薬との併用時は注意が必要です。 |
- 腎機能が低下している方、重い肝臓の病気のある方
- 飲酒量の多い方、脱水になりやすい状態の方
- 心不全・呼吸器の病気などで体に酸素が不足しやすい方
- 妊娠中・妊娠の可能性がある方
- 造影剤を使う検査(CTなど)や手術の前後は一時的にお休みが必要です
処方前に血液検査で腎機能・肝機能などを確認します。
6料金
| 用量 | 30日分 | 60日分 |
|---|---|---|
| メトホルミン 250mg 1日2錠 | 1,800円 | 3,400円 |
| メトホルミン 500mg 1日2錠 | 3,000円 | 5,700円 |
*すべて税込・自由診療(全額自費)です。国内正規品を使用しています。
*別途、診察料・検査料がかかります(GLP-1ダイエット外来の診察料・検査料をご覧ください)。
7診察の流れ・他のお薬との併用
- 医師の診察で、体重・生活習慣・持病・服用中のお薬を確認します。
- 血液検査で腎機能・肝機能・血糖などを確認します。
- 少量から開始し、副作用や体調をみながら用量を調整します。
GLP-1製剤やSGLT2阻害薬との併用については、糖尿病・肥満症の専門医が体質や検査結果をふまえ、より適切な組み合わせをご提案します。
8適応外使用についての重要なお知らせ
- 適応外使用:メトホルミンは国内では2型糖尿病の治療薬として承認されています。体重減少・肥満の改善を目的とした処方は、承認された効能・効果に含まれない使い方(適応外使用)となり、自由診療(全額自費)で行います。
- 入手経路:当院で使用するのは、国内の医薬品卸から購入した国内正規品です。
- 国内の承認医薬品:肥満症の治療薬として国内で承認されている薬に、ウゴービ®・ゼップバウンド®があります。より直接的な体重減少効果を目的とする場合は、GLP-1ダイエット外来のページをご覧ください。
- 諸外国での状況:メトホルミンは60年以上前から世界中で使われている糖尿病治療薬で、安全性に関する情報が豊富に蓄積されています。一方、肥満症の治療薬として承認している国はありません。
- 医薬品副作用被害救済制度:適応外使用で重い副作用が生じた場合、医薬品副作用被害救済制度の対象外となる場合があります。
メトホルミンによる体重管理について、お気軽にご相談ください
9アクセス・診療時間
渋谷駅から徒歩5分。詳しいアクセス方法・診療時間は下記よりご確認ください。
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