1みずぼうそう(水痘)とはどんな病気?
水痘・帯状疱疹ウイルス(Varicella-Zoster Virus:VZV)による感染症です。非常に感染力が強く、免疫を持たない人が感染するとほぼ100%発症します。
感染経路は3つ
- 空気感染:ウイルスが空気中に漂い、吸い込むことで感染(最も感染力が強い)
- 飛沫感染:咳・くしゃみのしぶきを吸い込む
- 接触感染:水疱・粘膜の分泌物への直接接触
潜伏期間は約2週間(10〜21日)。発疹が出る2日前から、すべての水疱がかさぶたになるまで感染力を持ちます。
- 主に乳幼児〜小学校低学年に多いが、近年は成人・青年期の感染増加が報告されている
- かつては「一度かかれば終生免疫」とされていたが、加齢や免疫低下で帯状疱疹として再活性化するリスクがある(→ 将来の帯状疱疹予防にもワクチンが有効)
2症状
典型的な経過
- 発熱・倦怠感(38度前後)から始まる
- 顔・頭・体幹を中心に赤い丘疹(3〜5mm)が出現し、全身に広がる
- 丘疹 → 水疱(みずぶくれ)→ 膿疱 → かさぶた(痂皮)の順に変化
- 強いかゆみを伴う。約1週間ですべてかさぶたになり治癒
*発疹跡は数週〜数ヶ月残ることがあります。掻きむしると化膿・瘢痕(痕)が残りやすいため注意が必要です。
- 成人・青年期の初感染(小児より重症化しやすく、肺炎・脳炎・肝炎を合併することがある)
- 免疫抑制患者(抗がん剤・ステロイド使用中、HIV感染者など)
- 妊婦(胎児への先天性水痘症候群リスク、新生児水痘リスク)
- 新生児(母体分娩前後の感染は重篤になりやすい)
3治療
抗ウイルス薬(アシクロビル・バラシクロビルなど)を発疹出現後できるだけ早く(24〜48時間以内が理想)投与することで、症状の軽減・期間短縮が期待できます。小児にはシロップ製剤を使用することもあります。
- かゆみ対策:軟膏(カチリなど)・抗ヒスタミン薬を使用
- 二次感染(細菌感染)予防:爪を短く切る、引っ掻かない
- 解熱剤の注意:アスピリン系は使用禁止(ライ症候群のリスク)。アセトアミノフェン(カロナール等)を使用
- 重症例・ハイリスク群:入院での点滴投与を検討する場合がある
4ワクチンによる予防
最も確実な予防方法はワクチン接種です。2014年より定期接種(無料)となっており、現在は2回接種が標準です。
定期接種スケジュール(1歳〜3歳)
- 1回目:1歳〜(生後12〜15ヶ月が標準)。定期接種(無料)。できるだけ早く接種を推奨。
- 2回目:1回目から3ヶ月以上あけて(3歳誕生日前日まで)。定期接種(無料)。2回接種で予防効果が大幅に向上します。
- 1回接種だけでは約10〜15%の方が感染する可能性があります
- 2回接種完了で発症リスクを大幅に低減できます
- ワクチン接種は帯状疱疹の将来的なリスク軽減にもつながります
成人・接種歴のない方の任意接種(自費)
以下に当てはまる方は任意接種(自費)での接種をお勧めします。
- みずぼうそうにかかった記憶がなく、ワクチン接種歴もない成人
- 医療・保育・学校など感染リスクの高い職場に従事している方
- 妊娠を希望している女性(妊娠前に接種。妊娠中は接種不可)
- 免疫不全患者の家族・同居者
*抗体検査(血液検査)で免疫の有無を確認してから接種することもできます。
接触後の緊急接種
みずぼうそう患者と接触した場合、72時間(3日)以内にワクチンを接種することで80〜90%の発症予防・重症化抑制が期待できます。「接触したかもしれない」場合はお早めにご相談ください。
5登校・登園・出勤はいつから?
学校保健安全法により、みずぼうそうは第2種感染症に指定されています。
出席停止の基準:「すべての発疹が痂皮化(かさぶた)するまで」
新しい水疱が出なくなり、すべてかさぶたになっていることを確認してから登校・登園が可能です。通常は発症から約7〜10日が目安です。
復帰の際は、学校・保育園の指示に従い、医師の登校許可証(治癒証明)が必要な場合は受付にお申し出ください。
*職場への復帰時期については、職場の規定やかかりつけ医の指示に従ってください。
ワクチン接種・抗体検査・接触後の相談、お気軽にどうぞ
