風しん・風しん抗体検査について

風しん(風疹)と予防の重要性

風しんは子供の病気である、とよく考えられていますが、2019年だけでも2,000名以上の風しん患者の報告があり、特に20代~40代の男性に流行があります(厚労省発表より)。

成人はこどもより重症化しやすく、特に妊婦が感染すると、あかちゃんが先天風しん症候群にかかる可能性があります。

もしあかちゃんが先天風しん症候群になった場合、先天性心疾患、難聴(高度のことが多い)、白内障、発育遅延など多様な障害が生じるため、あかちゃんの健康を守るためにも、早期の抗体検査をお勧めします。また、同居の家族(夫や両親等)も検査が望ましい場合があります。

 

風しん抗体検査について

風しんは、従来は幼少期のワクチン接種で一生涯かからないといわれていましたが、接種歴のある成人でも抗体価が下がってしまっているケースがあります。
近年は海外で感染し日本で発症する例が散発しており、注意が必要です。
風しんにかからない・周り(特に妊婦・小児)にうつさないためにも、風しんの抗体検査を受け、必要な方はワクチンをうけましょう。

検査については大きく2種類の方法がありますが、
当院ではHI法での検査(血液検査)となります。
結果は来院のほか、メールやLINEでも報告ができます。
検査時に医師にご相談ください。

風しん抗体検査については、基本的にお住いの住民票がある自治体での検査となっています。上京中などで地元から離れている場合などは、まず地元自治体の保健所・所轄にご相談ください。
渋谷区在住の方はこちらに記載がございます。

 

対象ではない方も、自費で検査ができます。
*風しん抗体検査:5,000円(税込)
予約不要で当日できます。

抗体価が低く、ワクチン接種が必要な方についてはこちらをご参照ください。。


§渋谷区の場合

渋谷区については、当院は渋谷区の認定施設であり、以下の方が検査可能です。

検査日現在、19歳以上で渋谷区に住民登録があり、次のいずれかに該当する人
・妊娠を予定または希望している女性
・妊娠を予定または希望している女性の同居者
・妊婦の同居者

書類は当院にありますので、居住がわかる身分証明書を持参の上、直接来院ください。
予約は不要です。
渋谷区の詳細な記載についてはこちら

風しん抗体検査結果について

当院で採用しているHI法では、以下の判定となります。

風しん抗体検査(HI法)
8倍未満:抗体なし
8倍~16倍以下:抗体が不十分の可能性あり
32倍以上:抗体が十分ついている


16倍以下は不十分な可能性がありますので、ワクチン接種が推奨されます。

風しんワクチンについて¥て

当院では、
①HI法で16倍以下の場合
②EIA-IgG価8.0未満である場合
のいずれかであれば、ワクチン接種を推奨しております。

渋谷区の事業で接種する場合、当院以外での検査結果であっても、検査結果の原本をお持ち頂ければ無料で接種可能です。

対象外の方については、8,000円(自費)となります。
支払いは現金・各種クレジットカード・交通系IC・Paypay・ハチペイがご利用頂けます。

なお、風しん単独のワクチンは販売中止のため、麻しん・風しん混合ワクチンでの接種となります。
ワクチンは予約制となりますので、電話もしくはLINEよりご相談ください。

 

<風しんQ&A>

Q.風しんの症状は?
感染すると約2-3週間後に発熱や発疹、リンパ節の腫れ(特に後頭部、耳の後ろ)、成人では関節痛などが出現します。発疹は最初の症状から数日で出現し、顔から全身に広がりますが、数日で発疹は消え、後に残ることは殆どありません(3日はしかの由来)。感染力は発疹のでる前後1週間が強いため注意が必要です。
ごくまれに(2,000-5,000人に1人)、脳炎や意識障害、血小板減少性紫斑病(青あざが多発)が合併することがあります。リンパ節の腫れは数週間続くことがあります。成人の場合は発熱や発疹、関節痛が子供より長く続きます。

Q.感染経路は?
咳やくしゃみに含まれるウイルスによって拡散・感染する、飛沫感染と呼ばれる感染をします。咳エチケット、マスクの着用、十分な手洗いやうがいによる感染防御が大切です。

Q.治療は?特効薬はあるの?
特効薬(抗ウイルス薬)はないため、解熱鎮痛剤などの症状を緩和するための対症療法が中心となります。合併症が出た場合は専門機関にて治療が必要です。

Q.通学(通勤)しているのですが、出席停止期間はどうなるのでしょうか?
学校保健法では、「発疹が消失するまで登校不可」と定められています。成人の場合も感染リスクがあるため、同様の扱いでよいと考えますが、勤務先にご確認ください。

Q.妊娠を考えているので風しんワクチンを打ちたいのですが、気を付けることはありますか?
妊娠している場合は受けられません。また、接種後、あかちゃんへのワクチンの影響を減らすため、2ヶ月程度避妊する必要があります。

 Q.抗体価が低いのでワクチンを打ったのですが、その直後妊娠がわかりました…
世界的にみてもワクチンによる先天性風疹症候群の発生報告はなく、人工中絶等を考慮する必要はないと考えられてます(国立感染症研究センター風疹予防接種に関するガイドラインより)。また、産婦人科診療ガイドラインでも『風しんワクチン接種後に妊娠が判明したり,避妊に失敗したりしても世界的にこれまで風疹ワクチンによる先天性風疹症候群の報告はない』と記載がありますので、人工中絶などを考慮する必要はないと考えられます。 

Q. 同居している女性(妻・子など)が妊娠を考えているが、抗体検査を受けた方がいいか?
過去ワクチン接種を受けていても、抗体がさがってくる場合があります。特に、明らかに風しんにかかったことがない場合は、同居女性及びそのお腹の子のためにも、抗体検査を受けることをお勧めします。助成の有無については自治体にご確認ください。

Q. なんで抗体価がさがるの?
免疫のつき方には個人差があります。通常、接種によって95%以上の人は免疫がつくとされ、2回打つことによって1回目で免疫がつかなかった場合の獲得や、1回目の免疫の強化が行えています。一方で、ワクチンの接種率向上に伴い、風しん患者数が減り、風しんウイルスにさらされる機会が減りました。これ自体は非常によいことですが、その結果として風しんウイルスにさらされて免疫が強化される機会が減り、時間経過と共に免疫が弱まってしまった人が出てきました。特に、1回しか受けてない(男性:1979年~1989年生まれ、女性:1962年~1989年生まれ)場合や、それ以前の接種を受けていない男性(1978年以前の生まれ)の方は感染リスクが高いとされています。

他、風しんについては厚生労働省の特設ページもご参照ください。

 
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