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わき汗・手汗(多汗症)について

汗は体温調節などで重要な機能を担っていますが、一方で、緊張や運動などによらず大量の汗をかいてしまって日常生活に支障をきたす状態を「多汗症」といいます。

特定の病気(例:甲状腺機能亢進症)などの原因がないものを「原発性多汗症」と定義し、部位によって腋窩多汗症(わき汗)、手掌多汗症(手のひら)、顔面多汗症(頭・顔)、足底多汗症(足の裏)、全身性多汗症と大別されます。

いずれも、汗のせいで日常生活や服装の自由が制限される、周囲の目が気になってしまうなどの問題点があるほか、人によってはうつ病などを併発することがあります。
一部の多汗症は遺伝性も疑われていますが、十分な特定には至っていません。

 

【汗がでる原理・原因】

汗を出すエクリン汗腺において、汗を出す指令が過剰になることによって起きると考えられています。汗を出す指令は皮膚の下の交感神経から出ており、交感神経からアセチルコリンが放出され、アセチルコリンがエクリン汗腺の受容体に結合することで汗が起こります。

多汗症の方は、原因は不明ながら局所/全身で過剰にアセチルコリンが放出されるため、多汗症状を呈すると考えられています。

 

【原発性多汗症の治療について】

原発性多汗症の治療法は幾つかありますが、手軽な保険適応の治療法は抗コリン外用薬で、現在3種類が保険適応となっています。他にも注射薬や漢方治療も行われていますが、以下は当院で行える(処方できる)治療法を主に記載します。
*当院は保険診療のみ実施しています。

 

◆抗コリン外用薬
液状の薬剤を当該部に塗布することで、アセチルコリンをブロックすることで発汗を抑えます。

注意点として以下が挙げられますが、局所に使えるので非常に簡便です。
①徐々に効いてくるため1-4週間継続することが必要(個人差有)
②目に入ると、散瞳症状を誘発し目のかすみが起きる、緑内障には禁忌
③塗布箇所のかゆみや、口の乾きが生じることがある

薬理作用からは治療対象箇所以外についてもある程度の有効性が期待できますが、公的な試験は実施されていません。詳しくは診察時に医師へご相談ください。


〇エクロックゲル®
国内で最初に出た原発性腋窩多汗症(わき汗)の治療剤です。
最近容器がかわり、直接容器から塗布できるようになりました。手等に薬液がつくことがほとんどないため、目のかすみなどを起こしにくくなりました。
既に1か月分以上処方可能となっています。

〇アポハイド®ローション

2023年6月1日より処方可能となったばかりの、原発性手掌多汗症(手汗)の治療剤です。
プッシュ型の容器で、寝る前に5プッシュ分両手に塗布し寝るだけと簡便な製剤です。
新薬のため、2週間分の処方となっています。

〇ラピフォート®ワイプ

ワイプ型の原発性腋窩多汗症(わき汗)の治療剤です。
1包の中に封入されている不織布の薬剤を腋窩に塗るタイプの製剤で、1回使い切り型です。
そのため簡便・衛生的に使用することができます。
2023年5月に長期処方制限が解除となりました。

マルホHPより

◆漢方治療

外用薬や注射薬などに比べると限定的ですが、漢方治療が奏功することがあります。
漢方医学では、からだの調子は気・血(けつ)・水(すい)の3要素が循環していると考えられており、このバランスが乱れることで諸症状が出るとされています。
多汗症については、このうちの生体エネルギーでもある気の異常(気逆)が主と考えられています。症状や所見に応じて、薬剤を使用しています。

〇防已黄耆湯(ぼういおうぎとう)
暑がり・寒がりで多汗、中年で水肥りの女性 など

〇白虎加人参湯(びゃっこかにんじんとう)
のどが渇き冷水を多飲するが、多汗、多尿で皮膚のかわきがある など

黄耆建中湯(おうぎけんちゅうとう)
虚弱体質で疲れやすく、寝汗などが多い など

その他五苓散などを用いております。
いずれも保険診療で処方できますので、市販薬等より安価です。

 

◆ボツリヌス毒素局所注射

ボツリヌス菌が作る神経毒のボツリヌス毒素を注射し、アセチルコリンが神経細胞から出られないようにする治療法です。ボトックス注射のようにしわ取りなどに用いられることもあり、多汗症の場合は当該箇所に複数注射することが一般的です。
注射部位の痛みやアレルギー、筋肉の弛緩等の問題があるため、専門的な皮膚科にて実施することが推奨されます。
重症例を除き保険適応外で、当院では行っておりません。

 

◆塩化アルミニウム外用薬

塩化アルミニウムを用いて、皮膚の表面の汗の出口を直接的に塞ぐ治療法です。
塗布部位のかゆみや炎症が起きることがあります。
保険適応外(自費診療)で、当院では取扱いがございません。


◆その他

イオンフォレーシス、交感神経社団術、神経ブロック等の治療法がありますが、いずれも専門的な治療法であり、一部の医療機関でのみ実施している状況です。


暑い日が多くなり、またコロナ禍がひと段落して行楽・旅行などで出かける機会が増えてきています。わき汗や手汗などでつらい思いがある場合、そこまでではないと考えているが相談したい場合など、お気軽に当院医師へご相談ください。

 

 

 

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